白頭山(ペクトゥサン)大噴火

PRODUCTION NOTES

かつてない壮大なプロジェクトに挑んだ
デクスタースタジオを中心とする制作陣

 これまで韓国映画では描かれたことのない壮大なテーマを描いた『白頭山大噴火』には、『神と共に』シリーズで革新的な技術力を世に知らしめたデクスタースタジオなど、韓国最高の制作陣が集結した。彼らに課せられた最大の課題は、白頭山の火山爆発による災害状況を現実的に映像化することだった。共同監督を務めたイ・ヘジュンとキム・ビョンソは、過去の災害を描いた映像や書籍などを数多く参照し、多面的な調査を行った。そして災害の現実性と映画的な面白さを念頭に置きながらストーリー、キャラクターを先に構成したのち、さまざまな学界の専門家たちの意見を得てプロジェクトを発展させていった。
 とりわけイ監督とキム監督が着目したのは、白頭山の地下に4つのマグマ溜まりが存在するという理論だった。そのマグマが順次噴火を起こし、最後の4次爆発が朝鮮半島の南北すべてを覆う大災害になるという物語を設定した監督たちは、それぞれ特色のある現実的な災害として計4回の噴火を表現しようとした。
 マグニチュード7.8の地震を引き起こす1次爆発のシーンは、観客にそれをリアルな体験のように感じさせるための日常的な舞台空間を検討した結果、江南駅周辺という設定を選んだ。ソウルで最も流動人口の多い繁華街である江南で撮影をすることは、制作陣にとって大きな挑戦だった。江南における5分余りのシークエンスのために、ロケとセット撮影を10回にわたって行った末、建物が崩壊し、道路が捻じ曲がって江南が混乱する現場をリアルかつドラマティックに捉えることに成功した。『スノーピアサー』『弁護人』のキム・ビョンマン美術監督は、火山灰、建物の破片、破損した車などの細かなセッティングによって、実際の災害現場のような生々しい光景を再現した。
 一方、白頭山の噴火によって荒廃した北朝鮮の平壌の模様は、1年間のプリプロダクションと4ヵ月の制作期間を費やして建造されたオープンセットで撮影を行った。装飾と小道具ひとつひとつにこだわった制作陣は、災害によって電力が途絶えた設定のもと、特殊チーム隊員のフラッシュライトと自動車のヘッドライトを利用し、最小限の照明を使って災害現場を描こうとした。
 そして、ソウルにひとり残されたジヨンが避難している最中、2次爆発が起こり、漢江で津波が発生するシーンは、ソウルに実在する潜水橋(ルビ:チャムスギョ)に押し寄せる津波のビジュアルが観る者を圧倒する。その津波がソウル中心部一帯を覆う災害状況をスクリーンに映し出すために、制作陣は実際に潜水橋でのロケを敢行。韓国映画史上初めて潜水橋の封鎖許可を得た制作陣は、破損した車、エキストラの動員、膨大な量の水を使用するなどによって、リアルで緊張感に満ちた災害シーンの映像化を実現した。
 さらに、3次爆発によって北朝鮮の吊り橋が崩壊する場面のために、実際に存在しない仮想空間をCGで作る必要に迫られた制作陣は、特に吊り橋のシークエンスのプリビジュアライゼーション(コンピュータ上における事前のイメージ視覚化作業)に数ヵ月間もの時間を費やした。吊り橋の幅や長さなどの細かな部分をひとつひとつ作っていき、緻密なシミュレーションを行った結果、吊り橋での手に汗握る追撃戦が完成した。

イ・ビョンホン×ハ・ジョンウ×マ・ドンソク
豪華俳優陣が語るキャラクターの魅力

 本作は、韓国を代表するふたりの俳優イ・ビョンホンとハ・ジョンウの初共演が実現したことも大きな反響を呼んだ。イ・ビョンホンはこれまでのキャリアでジャンルを問わず多様なキャラクターを演じ、一作ごとに新たな変身を遂げてきたが、北朝鮮の工作員役は今回が初めて。作戦の成否のカギを握るリ・ジュンピョンに扮するにあたって、北朝鮮の方言から中国語、ロシア語まで複数の言語を駆使した演技に挑戦した。加えて、銃器を活用した高難度のアクションもこなし、多面的な魅力を披露している。イ・ビョンホンは容易に心を読ませないジュンピョンという役柄について、「さまざまな面を見せるキャラクターだ。観客にもジュンピョンという人物を常に注視してほしいと思いながら演技をした」と語る。
 もうひとりの主演俳優ハ・ジョンウも、過去のフィルモグラフィにおいて多彩なキャラクターを自在に演じ分けてきた。本作で演じるのは、除隊直前に極秘作戦に投入された爆発物処理班(EOD)の大尉チョ・インチャンという役どころ。白頭山の最後の噴火が迫るごとに責任を感じ、任務を成し遂げようとしていくインチャンを、独特のカリスマ性にユーモアを加味して体現した。ハ・ジョンウは自身のキャラクターについて、「自分の置かれた状況に合わせて責任感を持ち、作戦をどうにか成功させようとしながら成熟していく人物だ」と評している。
 タフガイのイメージが強いマ・ドンソクは、これまでとはまったく異なる新境地を切り開いた。白頭山噴火を予見した地質学の教授カン・ボンネを演じるにあたり、外見的な変化や専門用語の習得などの役作りを完璧にこなした。マ・ドンソクはカン教授という役について、「体よりも頭を使うキャラクター。普段使わない単語を使うセリフが多く、とても難しかったが、十分に熟知できる時間をもうけて撮影に臨んだ」と振り返る。
 女性キャラクターの活躍も見逃せない。極秘作戦を提案するチョン・ユギョン役のチョン・ヘジンは、「いくら小さな可能性だろうと、すべてのためのことだと物事を捉え、前進する姿がとても感動的」とユギョンの魅力を語る。また、夫のインチャンが北朝鮮に行ったと知らないまま、ソウルを襲った災害を生き抜こうとするチェ・ジヨン役のペ・スジは、「災害のさなかでもとてもたくましいジヨンのキャラクターを魅力的に感じた」と言う。

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